今まで音楽教室の発表会に参加したり、会社の余興でカラオケに合わせてサックスを吹いたことはありましたが、セッションは初めての経験でした。
セッションはなかなか敷居が高く、その一歩を踏み出せない方もいるかと思います。何か少しでも後押しになればと思い、その時のことを書かせていただきます。
まずは私の今のレベルです。
練習ではまっすぐ音を出す分にはそこそこ安定した音が出せるようになった感覚です。アドリブ(即興)は全く出来ず、譜面に沿ってアドリブ部分などもコピーして演奏する程度です。今回は「Stella by Starlight」を2コーラス分(テーマ1コーラス、アドリブ1コーラス)を練習して、ネタとして用意しておきました。
で、セッションについてです。
今回参加したセッションの場合は予約の必要がなく、時間の都合のついた時に会場に向かいました。会場について、セッションを仕切っている人(以下、ホスト)にセッションが初めてであることを伝えました。そして、順番が来るまで楽器を組み立てて、コーヒーを飲みながら待っていました。
順番が来たら、演奏したい曲を伝えます。
「Stella by Starlightでお願いします。2コーラス分しかネタを準備できていないのですが」。ド・スタンダードな曲なので、ホストのベースとピアノに加え、テナーサックスとバイオリンの方が加わっていただけることになりました。
ホストから最初に準備していたネタの2コーラスを吹いてもらうこと、そしてソロの掛け合いのご提案をいただきました。ソロの掛け合いは練習してないのでお断りしたのですが、結局トライすることになり既にパニック気味。「キーはアルトサックでGでお願いします」と伝えると、みなさんがそれに合わせてくれます。テンポを聞かれたので「120くらいで」と答えると数字だと分からないとのこと。これが意外な落とし穴でした。いつもはメトロノームに合わせて演奏したり、カラオケに合わせて練習していました。いざテンポ120を伝えようとすると難しく、歌ったり楽器を吹いてもホストの方は困った顔をしています。結果的にはテンポはなんとなくでセッションスタートです。
緊張していますし、練習の環境とは違いますのでいつも通りとはいきません。ミスも多めですが、何とか2コーラスを吹きました。音色も音程もほとんどよく分からないまま、必死で吹いていました。ピアノやベースの音もほとんど聞こえませんでした。
ソロの掛け合いは予想通り対応出来ませんでした。そんな中、みなさんのアドリブソロにつながっていきます。テナーサックスの方もバイオリンの方も当たり前のようにアドリブします。最後に、私がテーマを吹いて終了です。
まあ予想していた通りの出来ではありましたが、セッションの流れを経験出来てよかったかなと楽器を片付けようとしていたらホストから声をかけていただきました。もう1曲どうですかとのご提案に、ネタが尽きていたのでお断りしたのですが、結局もう1曲吹かせていただくことになりました。しばらく吹いていなかったのですが、以前練習したことのある「Isn't she lovely」を吹かせていただきました。だいたい1曲目と同じような流れで、出来はさらに悪かったですが、だいぶリラックスして吹けました。場数を踏めば、少しづつですが慣れるものだなあと実感しました。
精魂尽き果てて楽器を片付けようとしていると、またホストの方から声をかけていただきました。最後にブルースをやるので、参加して下さいとのこと。正直???で、話している内容が理解出来ませんでした。ブルースっていう曲があるのかなあ?いずれにしても、テーマを1度も吹いたことのない曲はさすがに無理なので、申し訳ないのですがお断りして楽器を片付けました。その後、見学をさせていただいたのですが、「Bag's Groove」のテーマから、ソロをみんなで回していました。どうもブルースというお決まりのコード進行の曲がいくつかあって、その中で「Bag's Groove」をテーマに演奏しているとのことでした(間違っていたらすみません)。私以外のみなさんは、当たり前のように演奏に参加して、当たり前のようにアドリブしていました。私からすれば異次元の世界です。
初めてのセッション体験は、こんな感じでした。
正直、楽しむ余裕はありませんでしたが、アンサンブルや人前で演奏する経験を積む場としてはとてもいいなあと実感しました。音楽教室の発表会と比較すると、今回のセッションのように予約が必要ないのはとても気軽です。一方、当日は演奏するだけという環境ではなく、その場で自分が何をしたいのかを最低限伝える必要があります。例えば、曲、キー、テンポ、エンディングなどです。私の場合、テンポがうまく伝えられずに迷惑をかけてしまいました。
セッションに参加して、練習したいことがいっぱい出てきました。とは言え、練習できる時間は限られているので、少しづつでも前に進んでいければと考えています。そしてまたいつか、セッションに参加したいと思っています。